皆さんこんにちは😊
本日は、アトピー性皮膚炎の外用薬についてお話させていただきます。
現在、アトピー性皮膚炎で使用される抗炎症外用薬は、ステロイド外用薬、タクロリムス軟膏、デルゴシチニブ軟膏、ジファミラスト軟膏、タピナロフクリームの5種類です。
今回は、デルゴシチニブ軟膏、ジファミラスト軟膏についてお伝えします。
デルゴシチニブ(コレクチム)軟膏:JAK阻害外用薬
アトピー性皮膚炎の病態に関連する種々のサイトカイン(免疫細胞から分泌されるタンパク質)シグナルの伝達を抑制して皮膚の炎症を改善させる薬剤です。
年齢適応:生後6か月以上
使用量:1回5gまで1日2回塗布。(1日最大量10g)
モイゼルト(ジファミラスト):PDE4阻害薬
効果:炎症を抑えるシグナルを分解して炎症を増幅するPDE4という酵素を阻害する薬剤です。PDE4が阻害されると、炎症を抑えるシグナルが上昇し、アトピー性皮膚炎の炎症を改善します。
年齢適応:生後3か月以上。
使用量:1回使用量制限なし。1日2回塗布。
どちらの薬剤も副作用として毛包炎やニキビなどの皮膚感染症はありますが、ステロイド外用薬のように長期使用による皮膚委縮はありません。ステロイド外用薬を塗っても皮疹を繰り返す場合は、どちらかの外用薬を塗って再燃を予防するのがおすすめです。
外用剤は、決められた用法や容量を守り、塗ることが大切です。塗り方や塗る量については、処方の際に詳しくお話させていただくのでご安心下さい。
外用剤療法の他にも住環境の整備(例:寝具の清潔を保つ、適正な温度を保つなど)やスキンケア、皮膚への刺激を避け、清潔感を保つことも大切になります。日常生活での「これ原因なのかな?」など気になることがあれば、いつでも当院にご相談ください。