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手荒れ(手湿疹)について
皆さんこんにちは😁
寒くなり乾燥がきになる季節になりました。冬場にご相談の多い手荒れ(手湿疹)について今回は、お話しさせていただきます。
手湿疹とは
手にできる湿疹を「手湿疹」と言います。湿疹とは、かゆみやヒリヒリ感を伴う炎症反応になります。
物質の刺激やアレルギーによって発症します。手湿疹は、男性よりも女性に多く、最も頻度の高い原因は接触刺激因子(食器用洗剤や消毒剤など)になりますが外因性だけでなく、原因が明らかにできないアトピー影響など内因性の原因もあります。
手湿疹の種類と症状
手湿疹にはいくつかの種類があります。
・角化型手湿疹
厚い皮むけや亀裂が手のひらに見られます。小さい水ぶくれや赤みはできません。
原因は不明。中年以降の男性に多く見られます。
・進行性指掌角皮症
指先や指腹が乾燥して粗造になり、指紋がみられなくなります。悪化すると亀裂が生じます。
誘因は、化学や物理的な刺激です。水仕事が多い主婦や美容師、キーボードを頻繁に使う方に多く見られます。
・貨幣型手湿疹
手背に貨幣上の円形の湿疹がみられ、かゆみが強いです。
刺激性や化学物質によるアレルギー、アトピー型のいずれでも生じる場合があります。
・再発性水疱型手湿疹
手のひらや足の裏に小さい水ぶくれが多発し、かゆみを伴います。水ぶくれは徐々に乾燥し、皮が剥がれ赤みを伴うようになります。
汗の影響で夏期に悪化する傾向があります。原因は明らかではないですが、ニッケルなどの金属アレルギーを伴うこともあります。
・乾燥・亀裂型手湿疹
手全体の乾燥と亀裂が生じます。冬に悪化することが多く、皮膚のバリア機能が低下することで生じやすくなります。
原因と対策
・外的刺激
最も多いタイプになります。皮膚のバリア機能が壊れ、刺激物質が直接皮膚に作用をし、炎症を起こします。
主な原因物質
・水や洗剤、石鹸(特に頻繁な手洗い)
・アルコール消毒液
・シャンプー、漂白剤、掃除用品
・調理時の食材(魚介類や柑橘類など)
対策:水仕事や調理をする際は手袋を着けるようにしましょう。
長時間手袋を着ける場合は、下にコットン手袋を着用するようにしましょう。
手を洗うときは液体石鹸ではなく、刺激の少ない固形石鹸にしましょう。
・アレルギー性接触皮膚炎
アレルギー体質の人が特定の物質に対して免疫反応を起こして発症します。
よくあるアレルゲン
・金属(ニッケル、クロムなど)
・ゴム手袋(ラテックス)
・香料や防腐剤、化粧品成分
・塗料、接着剤などの化学物質
対策:原因となるアレルゲンや刺激因子を見つけて避けるようにしましょう。
これまで検査をしたことがない方は、パッチテストなどで原因を探してみることがおすすめです。
・体質的要因(アトピー素因)
アトピー性皮膚炎や乾燥肌の人は、元々の皮膚のバリア機能が弱く、手湿疹を起こしやすいです。
手荒れから慢性的な湿疹に発展しやすい傾向があります。
治療方法
まずはこまめに保湿することが大切です。治りにくい方は症状に応じた強さのステロイド外用薬で治療していきます。
難治性の方は光線療法のご案内もできます。
手湿疹は繰り返しやすい疾患になります。そのため、日常生活での対策が一番大切になります。対策方法や「これっていいのかな?」など不安に思うことがあればご相談いただければと思います。また、手にでる症状がすべて手湿疹とは限りません。他の皮膚疾患の場合もございますので。長期間続いており、中々治らない場合などは是非ご来院ください。


